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1947年(昭和22年)より発刊している香川県拠点の老舗新聞社なんです。
もう70周年を優に超え既に894号! 編集長の長谷川 修一氏はいわば この業界の”生き字引ってところです。
第45回業界新聞担当コラム;未来ある子供たちに…
香川大学教育学部附属 高松小学校 × カガワ3Dプリンタファクトリー
学校独自の取り組み「縦割り創造教育」案件最終回。
コロナ禍においても滞ることのできない教育、我々に向けられたのが「デジタルモノづくり」。
カガワ3Dプリンタファクトリーとして地元の活動実績を買われ、2年赤組/篠原先生からの問い合わせをいただいたのが昨年5月。
これまで2度に分けて進捗状況を報告してきましたが2月17日最終日を迎えました。
11月までの前半は子供たちが興味をもって取り組める3Dモデリングの基本を学習。
3D-CADがインストールされたパソコンを1年生も含め一人一台操作し、
まずは遊び感覚からスタートです。球体や角柱などあらかじめ用意されている物体をアレンジし
思い描く動物や小物をうまく3Dでデザイン、それを3Dプリンタを通してモノが出来上がる体験をしてきました。
そして、後半の12月からは「縦割り創造教育」の本質である異学年集団が社会的な役割に関わる問題を
共感的・協同的に解決していくことを踏まえ、クラスで話し合った新たな目標「生活に不便を感じる人に3Dの技術を使う」
という活動が始まりました。
障害に対する様々な需要を学ぶため試行錯誤が始まり、高松ボランティア協議会の武田さんを招いてプロジェクトが大きく動き出し以下の課題を見つけ出しました。
●書き物が不自由な時にはペンを握りやすくするガジェット(仕掛け)
●握り手を工夫したカップフォルダ
●車いすのレバーを操作しやすくするための取っ手
●ペットボトルのふたを頼まずに自分で開けられるフック
●フックがついたメガネケース…などなど
これらをいきなりデザインするのは難しいこともあり、我々がベースとなる基本形状を3Dデータで提供し
そこにかわいいネコや金魚など子供たちなりのやさしさを加え不便改善グッズとして3Dデザインしていきました。
この一年、体験を通して学んできたのは最先端のデジタルモノづくり。
頭の中で思い描いたものをPC上でデザインさえ出来れば3Dプリンタを通じてモノが作れます。
染み入るように吸収する若い脳は新しい挑戦に抵抗を示さずどんどん先に進み、
自分のため、人のため、そして世のために使えることを感じ取ってくれたはずです。
6年生もあとわずかで卒業。クラスで学んだ仲間もいずれ中学、高校と進学し社会人になっていきます。
そして、”結婚…”となったとき、ぜひ今回のことを思い出し、自分たちで3Dデザインの指輪も作ってみてもらいたいものです。
一人一人がデジタル技術を使いクリエータになる時代が確実にやってきます。そのころには結婚指輪の意味合いも
今とは違ってきているかもしれません。
少し我欲が出てしまいましたが、未来のある子供たちにいつかまた出会えることを期待して…
●香川大学教育学部附属 高松小学校;篠原先生、2年赤創造クラスの皆さん
●高松ボランティア協議会;武田さん
●カガワ3Dプリンタファクトリー;三野さん、松川さん、菅さん、倉本さん、木村さん、大山。
“業界新聞”
(※業界新聞社;香川県坂出市駒止町2丁目5番43号/TEL・Fax;0877-46-5384/編集発行人;長谷川 修一)